「ケルン国際デンタルショー」に参加・視察研修に行ってきました

最終更新: 2月7日



2019年の3月中旬にドイツのケルンメッセで開催された「ケルン国際デンタルショー」に参加して参りました。 ケルン国際デンタルショーには、世界中のバイヤーやサプライヤーといった業界関係者が集います。 25にもおよぶ産業分野において世界最大規模を誇り、各業界の商品カテゴリーをカバーする国際見本市です。 今回ヒラミヤは、展示会ブースの中に美術品を設置する「展示什器」の製作で関わりました。


今回の目的のひとつは、自分たちの作った物が、現地でどのように活用されているのかを知ることです。 現地での施工を自分自身でも行う事で、文字通り使う身になって、使い勝手を判断したかったのです。また、ドイツでの展示会会場設営の流れや施工業者との取組み方も知ることが出来ました。 そして、メッセ会場内、数々の展示方法の見学や、ケルンの大聖堂をはじめとした歴史的建築物を見学したり、美術館などを視察して、今後仕事への情報蓄積ができればと思い、参加して参りました。


滞在9日間うち施工に5日間かかったので、会場内のいろいろなブースを見学できました。 会場に入ってまず思ったのは、アジア圏の会場と違って天井高が高いことです。 そして、ほとんどのブースがその空間に合わせた特注品が使われていました。 既成品規格の展示パネルや什器だとスケール感が小さく見えてしまうことが理由のひとつではないかと感じました。 その中で興味を惹かれたブースをいくつかご紹介します。



本物のコンクリートを使った展示ブース壁面パネル



展示会場で見たブースの中で一番印象的だったのは、とあるブースに使われていたコンクリートの壁。 一見するとコンクリートを打った壁に見えますが、木製パネルの上に薄いコンクリートを貼ったパネルが使われています。 そのパネルを現場で組み合わせ、加工してブースに合わせて施工していくそうです。 デザイン性が高いのに、輸送や施工も効率的に考えられていると感じました。



香りを取り入れたブランディング戦略


見て回ったブースの中でこのブースだけだったのですが、空間と香りを使ったブランディングを行っている企業が印象的でした。 コーポレートカラーが白とオレンジの企業で、ブースの近くに行くとオレンジのような柑橘系の香りがしました。 嗅覚も取り入れた手法が他のブースと差別化されていて印象的でした。 残念ながら、写真は撮り忘れてしまいました。



空間を広く見せる工夫



さほど大きなブースではないのですが、広さ以上に大きく感じるのは、斜めの空間を作り、奥行きを演出しているからのようです。 壁自体を切り抜いて企業のCIにしてあります。



ポリゴンをモチーフにしたグラフィック



とあるブースでは、モニターにポリゴンが映し出されており、人目を惹いていました。 ステッカーにポリゴンが印刷されているだけなのですが、グラフィカルな陰影を実に美味く表現されており、効果的でした。 ポリゴンというのは、コンピューター上で簡単に設計したり、また設計変更ができたりする特徴を持っています。 そこに制限は無いので、無限の可能性は高いと思います。



ケルンの街を散策



ケルンメッセでの設営や視察を終え、ケルンの街を散策しました。 フランクフルト空港から電車でケルンに入り、駅を降りるといきなり目の前にあらわれるケルン大聖堂の姿はまさに壮観です。 イエスキリストを題材にしたステンドグラスなど、芸術と建築物が見事に融合した姿はゴシック建築の最高傑作といわれています。 632年もかけて完成にこぎつけたという事、戦後を含め3度も作り直されている、作り込みの細かさはアートそのもの。 魂が細部にまで込められた物作りへの姿勢は、我々も見習うべきだと思います。


その他にもピカソコレクションで有名なルートヴィヒ美術館なども巡ってきました。



街の景観を壊さない、デザイン性が高いイベント用仮設スタンド



ケルンの街でこんなものを見かけました。 イベント時に使われる仮設の座席スタンドなのですが、これが実に良く出来ています。 大きさや形状が異なる数種類のモジュール式のパーツで構成されており、組み合わせるパーツにより空間にフィットさせることもできます。 それは幅や高さだけでなく、角度を変更できることにも感心しました。 そして、建築現場の「足場」の一種ともいえると思いますが、出来上がった姿が美しいのです。 「人の目に触れる物は、街の景観を壊してはならない」、こんな考え方もドイツ式合理主義のひとつなのかも知れません。



今回のケルン滞在を通し、ヨーロッパの人々が持つデザインへの意識の高さを感じました。 展示会のような特別な空間に使われるものだけでなく、日常の場面の中で使われるものまでデザインされた美しいものが多く、大きな刺激を受けました。 その一方で、環境に対する観点では気になった点もありました。 海外の展示会では会場でMDFを使用して特注品のブースを設営するのですが、その展示会が終わった後は全て廃棄されるそうです。 デザイン性が高いだけでなく、繰り返し使える、コスト面でも環境面でもメリットの高い、そんな製品をヒラミヤは目指していければと考えたケルン滞在でした。